林業系研究・技術者

林業系研究・技術者

森林の保護と利用の両面から研究する

近年、酸性雨や過剰伐採、不注意から起こる山火事などによって森林が著しく減少している一方で、紙・パルプ、建築用木材などの需要は依然として高い水準にあります。こうした矛盾した状況の調和を図り、森林を再生可能な天然資源として維持・管理し、開発利用を進めるのが、林業系研究・技術者の仕事です。例えば、森林管理署などに勤務している場合は、森林を巡回して樹木の生育状況を調べ、測量したり、標本を採取したりしてデータを集めます。そして、そのデータに基づいて、資源保護のための報告書や計画書にまとめます。また、材木、パルプ、製紙などの関連企業では木材製品の研究開発に携わり、木材の有効利用を進めています。さらに、商社などで木材の輸入や販売にかかわっている林業系研究・技術者もいます。

進む分野に適した学科選択が必要

林業系研究・技術者になるには、大学の農学系学部の森林科学科、生物環境学科などで学ぶのが一般的なコースです。ひと口に林業系研究・技術者と言っても、仕事の分野によって、必要な専門知識が異なります。例えば、森林の維持、管理には森林植物の生態学や生物関係学、治水や治山には土木工学や砂防学、そして伐採、搬出には森林工学といった具合なので、自分の適性をよく考えて進路を選ぶべきでしょう。国公立の施設に勤めるには、まず関連の公務員試験に合格することが必要です。合格後は、林野庁の森林技術総合研修所などでさらに専門教育を受け、各部署に配属になるのが一般的です。

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