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調香師
職人的嗅覚で生活の中の香りをつくり出す
調香師は、基本香料を数種類組み合わせて新しい香りを調合する専門家である。生活の中にある香り、例えば、シャンプー、香水、入浴剤、清涼飲料などのあらゆる香りが調香師によってつくり出されている。消費者の多様なニーズにこたえるため、流行を読む目と、芸術的センス、職人的感覚が要求される仕事である。仕事の内容によって、調香師はパフューマーとフレーバリストの二つに大きく分かれる。パフューマーは、主にシャンプーや化粧品、洗剤、芳香剤などの体の外部で使用する商品を扱い、フレーバリストは、口から体の中に取り込まれるもの(食品、飲料、歯磨き粉など)に使う香料を開発する。仕事場は、メーカーや香料会社などの研究開発部門が中心。最近は、商品だけでなく、生活空間(オフィスやお店など)の香りの演出などの新しい需要も増え、活躍の場はますます広がりつつある。
化学知識と芸術センスのバランスが大切
特別な資格は必要ないが、香りの素材に関する化学的知識が必要なので、企業では大学の理系学部卒業者を多く採用している。しかし、調香は芸術的センスが不可欠なため、趣味や課外活動などで、芸術にも多く触れておく必要がある。数は少ないが、調香関連コースをもつ専門学校やスクールもある。ここで調香の知識・技術を学ぶのも一つの方法だ。企業に入社後、調香師としての研修を受けて経験を積み、一人前の調香師になるには10年ぐらいはかかるといわれる。それだけ、経験がものをいう職人の世界といえるだろう。 グローバルな調香師をめざすなら、海外の調香師養成学校に入学する道もある。企業によっては、海外での研修を行っているところもある。いずれにせよ、調香の本場である欧米諸国からの情報が必要不可欠なので、語学力を養っておくと有利だ。