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不動産鑑定士
コンサルタント的な仕事にも進出
土地や家屋などの不動産には、野菜や魚などのように価格を決める取引所がありません。そこで、取引所の代わりに不動産を鑑定し、適正な評価額を出す専門家が必要になります。不動産鑑定士は、こうした業務のスペシャリストです。不動産取引に伴う鑑定評価以外にも、金融機関から融資を受けるための担保物件の鑑定評価、国有財産や公共用地などを取得または処分する場合の鑑定評価、相続税などの課税対象としての不動産価格の評価、借地や借家などの権利評価、公示価格の評価、民事訴訟への関与など、活躍の場は広範囲にわたっています。また、土地の有効利用や土地にかかわる税金、法律の相談にも応じるなど、コンサルタント的な仕事も行います。ちなみに、国が毎年発表する全国の土地評価額は、国土交通省の依頼により、不動産鑑定士が調査した結果に基づくものです。
長期にわたる勉強と実務経験が必要
不動産鑑定士の資格試験は、1次から3次まであります。1次試験は誰でも受験できますが、大学または短大、高等専門学校卒者などは1次試験が免除されます。2次試験では、経済学、会計学、民法、不動産に関する行政法規など5科目にわたって高度な専門知識が問われます。そのため、大学の法学系、経済学系、経営学・商学系学部へ進学すると有利でしょう。2次試験に合格して2年以上の実務経験を経ると不動産鑑定士補となり、さらに1年以上の実務補習を修了すると3次試験の受験資格が得られます。そして、これに合格し国土交通省に登録されて初めて不動産鑑定士になることができます。