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海上保安官
海上保安業務のほか災害時の救難活動も行う
日本を取り巻く海上は、貨物船や漁船などが往来する仕事の場であるとともに、海洋レジャーを楽しむ憩いの場でもあります。海の警察官として、安全で美しい海を守る業務に就いているのが海上保安官です。海上保安官の仕事は、主に三つに分けられます。第一に、密輸、密航、不法操業などの海上犯罪の取り締まりと海難救助を行う警備救難業務です。第二は、海底地形や水深、海流、潮汐、天文観測などを行い、海図や水路図誌を刊行する水路業務です。そして第三は、船舶の安全で能率的な航行のために必要な灯台などの建設、整備、保守運用を行う航路標識業務です。このほか、自然災害が発生した場合に海上から救難、救助活動を行うのも、海上保安官の大切な役割です。
幹部をめざすなら大学校進学が有利
海上保安官になるためには、原則として海上保安大学校か海上保安学校を卒業することが必要です。これらの学校の受験資格は高卒者で、大学校は21歳未満、保安学校は24歳未満となっています。海上保安庁の幹部職員をめざすなら、大学校に進む方が有利です。大学校の教育期間は本科4年、専攻科6か月の合計4年6か月です。2学年後半からは航海、機関、情報通信の各専門分野に分かれ、海事法、機械力学、通信工学など各専門教育系の知識や技能を学びます。また専攻科では、遠洋航海実習や海上保安業務の実務教育などを受けます。一方、海上保安学校では、2年制の情報システム課程、1年制の船舶運航システム課程、海洋科学課程、航空課程に分かれて専門教育を受けます。